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会社設立って夢を叶える

国際決済銀行(BIS)の統計によると、邦銀の国際金融市場での資産規模は、八五年に米銀を抜き世界最大となり、九〇年末にはそのシェアは三六%に達しました。
また、個々の銀行の国内業務を含めた全体の資産規模をみると、邦銀は八〇年には上位十行のうちに一行しかランクされていませんでしたが、九〇年には七行を占めるまでになりました(図表5 邦銀のプレゼンスの高まりに対して、海外では二つの観点からの批判がみられました。
一つは、邦銀のプレゼンスが高まったのは低い自己資本比率 124を容認されているからだというものです。
一九八八年からBISによる国際的な統一自己資本比率規制(BIS規制)が導入されましたが、その目的の一つとしてあげられている国際的な競争条件の均衡は邦銀を意識したものだと言われています。
プレゼンスの高まりに対するもう一つの批判は、わが国の預金金利自由化の遅れていることが、邦銀に対して国内市場における優位性を保証し、結果的に海外市場におけるシェア拡大を可能にしているというものでした。
 邦銀のプレゼンスが特に大きな問題となったのは米国です。
前述したように、邦銀の積極的な業務拡大の結果、米国所在銀行のなかの邦銀(支店プラス現地法人)の商工業向け貸出のシェアは一七%(九〇年六月末、アメリカンーバンカー調べ)に達しました。
一方、日本所在銀行のなかでの米銀の貸出シェアは、自己資本比率規制のために米銀自体が資産拡大に積極的でないこともあり、一%にも満たない状況にとどまっていました。
米国政府・議会では、こうしたアンバランスの原因として、米国が外国の銀行に対して十分な市場開放を行なっているのに対し、日本ではそれが不十分であること、邦銀は規制金利預金による調達が多く、自由金利預金による調達が多い米銀に比べてコストが安い点などをあげ、日本市場の一層の自由化と開放を求めました。
 こうした批判に対して、米銀は日本国内で邦銀には認められていない証券業務を営むことができたことや、都市銀行の自由金利預金比率が米国の大銀行と同じレベルにまで上昇していたことなどを指摘することによる反論が可能でした。
しかし、貿易摩擦同様、金融の面でも米国が苛立ちを強めていたことは確かです。
わが国の対応に対する米国の理解を求めると同時に、引き続き金融自由化の推進に努めることが必要でした。
 八〇年代に急拡大した邦銀の国際業務は、九〇年代に入って大きな転換点を迎えています。
BIS規制の導入により、邦銀の経営の重点は資産の規模や利益の絶対額等の「量」から、収益率等の 「質」へ移行しています。
国際業務についても、すでに収益性の低い資産の圧縮が行なわれており、資産の拡大にブレーキがかかっています。
こうしたなかで、今後の国際業務を展望してみましょう。
グローバルーマーケット世界的な金融自由化の流れと、通信技術やコンピューター技術の発達によって、ロンドン、125ニューヨーク、東京といった世界の主要市場は、ますます結びつきが強まっています。
例えば、あ 126る市場のドルの金利が他の市場よりも少しでも低ければ、他の市場における資金調達の希望がこの市場に殺到し、金利はすぐに他の市場と同水準まで上昇することになります。
このように、各々の市場が地理的に離れていても、通信回線を通じて有機的につながっている状態が、まさに金融市場の一体化(グローバリゼーション)と呼ばれるものです。
 九〇年代は、こうした傾向が一層強まるものと考えられます。
グローバリゼーションの進んだ世界において、顧客は世界で最も有利な資金調達や運用方法を提示した金融機関を自由に選択できるようになります。
この意味で、九〇年代は世界の主要な金融機関が、それぞれの特色を発揮して互いに競い合う時代になると予想されます。
九〇年代の戦略と課題 こうしたなかで、邦銀はどういう戦略をとっていくのでしょうか。
第一に考えられることは、既存の業務に加え新しい業務に積極的に取り組んでいくことです。
その代表的なものが海外拠点におけるスワップ、フューチャー、オプションなどの新金融商品の取り扱いです。
また、MBS等証券化関連商品の取り扱いや、アセットーセールス(ローン等の他の金融機関への販売)などに、一段と力を入れることになるものと思われます。
 第二に、現地化の推進が重要です。
現地化とは、進出国の企業との直接取引の拡大や現地スタッフの育成、登用により、進出国により深く根付いていくことです。
 八〇年代に急増した海外店での現地貸の内容は、企業の買収・合併案件や商業用不動産融資にみられるように、欧米の銀行が主幹事となって組成した案件への参加が中心で、自らが発掘、組成した案件がそれほど多くあるわけではありませんでした。
邦銀がその国を母国とする銀行と同じ土俵で競争するのが難しいことは当然であるとも言えますが、邦銀の現地化のための努力が必ずしも十分ではなかったことも影響しています。
いくつかの邦銀は既に本部機能の一部をニューヨークやロンドンに移していますが、現地スタ″フの経営レベルへの登用を含め、現地化を一層進めていく必要があるでしょう。
 第三には、邦銀の強みである日本の経済力をバックにした業務の拡大を図ることです。
日本企業の海外進出に関連した、現地企業の買収・提携の斡旋や工場用地・税制等の情報提供に一段と注力すべきでしょう。
また、こうした日本企業との取引にとどまらず、日本の金融市場の整備によって増加が予想される、外国企業の日本市場での資金調達・運用に積極的に関与することも重要です。
欧米の金融制度と銀行金融制度 ①二つの特徴 米国の金融制度の基本的な枠組みは、大恐慌の後、一九三〇年代に構築されました。
その後、現在まで大きな変更は行なわれていません。
その特徴として、まず銀行・証券の分離と、州を超えて支店を設置することを禁じた州際業務規制があります。
 日本の証券取引法第六五条のモデルとなった、グラスースティーガル法(一九三三年銀行法)は、銀行による社債・株式等の引受・ディーリングを原則として、禁止しています。
現在、制度として銀行業務と証券業務の兼営を認めていないのは、主要国では米国と日本のみとなっています。
ただし、後述するように、実際には米国における銀行・証券の分離は徐々に緩和されてきています。
 州際業務規制は、他の国にはみられない規制です。
米国では、伝統的に州の権限が大きく、また、特定の銀行に資産が集中することへの強い抵抗があります。
なかには、銀行に対して本店のみを認めており、支店の設置を認めない州もあります。
このため、米国の銀行数は約一万三千と、日本(約一五〇)に比べて格段に大きな数となっています。
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